ビューポートは真空・機械・光学の条件が同時にかかる部品です。選定ミスは、透過不足・ゴースト・焼損・リーク・熱割れなどの原因になります。最初に、次の観点を埋めてから材質/コーティングを決めましょう。
ホウケイ酸ガラス(コバールガラスともよばれる)のビューポートがもっとも安価で扱いやすい選択肢です。撮像・目視中心で、可視〜近赤外が主用途、ベーク温度も中程度で足りる場合に向きます。
まず波長チャートを確認し、透過させたい材質の窓を選定してください
同じ”石英“や”サファイア“でもグレード差で透過波長域やレーザー損傷閾値(LIDT)が変わります。短波長(DUV/EUV)を使うなら、EUV/DUVグレードを指定してください。
窓は必ず反射があります。両面で約8%の損失が目安となり(波長・角度で変動)、その分透過率が落ちます。透過率を上げるにはARコート(反射防止膜)が必要です。設計波長・角度に合わせて最適化することで、高い総透過が狙えます。
使用波長 | : |
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透過率 | : |
光源 | : |
照射範囲 | : |
出力 | : |
照射時間 | : |
窓を斜めに取り付け、ブリュースター角でp偏光を入射させると、(単一界面で)反射を0にできます。実務では、両面を同時にブリュースター条件にするにはウェッジ(くさび)や配置工夫が必要で、ビーム偏向や視差への配慮も欠かせません。
材質 | 特徴 | 適用範囲 |
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ホウケイ酸ガラス | 可視~近赤外で観察用途に好適。コスト◎。 | 深UVや高出力レーザーでは限界が出やすい。 |
合成溶融石英 (Synthetic Fused Silica) |
金属不純物・OH含有を抑えたグレードは短波長透過・レーザー耐性に優れ、DUV/EUVグレードも選べる。 | ベークや熱衝撃にも比較的強い。 |
サファイア | 高強度・高硬度・広帯域透過。熱的・機械的にタフで、耐擦傷性も高い。 | 偏光・複屈折・グレード差に注意。 |