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- オーステナイト系ステンレス鋼の化学成分・機械的性質・物理的性質
読み物
オーステナイト系ステンレス鋼の化学成分・機械的性質・物理的性質
オーステナイト系ステンレス鋼の特徴・化学成分・機械的性質・物理的性質
※ 数値は JIS G 4303/4304・ASTM A240 などの代表範囲。メーカーのミルシートで必ず確認してください。
真空用途における特徴
| 等級 | 用途・特徴 |
|---|---|
| SUS304 | 真空業界でもっともよく使用される材質です。 |
| SUS304L | L材はSUS316Lを使用することの方が多いです。 |
| SUS304LN | ヨーロッパやアメリカなど海外の加速器に多いです。 |
| SUS316 | 真空業界ではあまり見かけません。 |
| SUS316L | 非磁性対応目的などSUS304の次によく見る材質です。 |
| SUS316LN | ヨーロッパやアメリカなど海外の加速器に多いです。 |
化学成分比較（質量%）
| 等級 | C (max) |
Cr | Ni | Si | Mn | Mo | N |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| SUS304 | < 0.08 | 18–20 | 8–10.5 | < 1.00 | < 2.00 | — | — |
| SUS304L | < 0.030 | 18–20 | 9–13 | < 1.00 | < 2.00 | — | — |
| SUS304LN | < 0.030 | 17–19 | 8.5–11.8 | < 1.00 | < 2.00 | — | N 0.12–0.22 |
| SUS316 | < 0.08 | 16–18 | 10–14 | < 1.00 | < 2.00 | Mo 2–3 | — |
| SUS316L | < 0.030 | 16–18 | 12–15 | < 1.00 | < 2.00 | Mo 2–3 | — |
| SUS316LN | < 0.030 | 16.5–18.5 | 10.5–14.5 | < 1.00 | < 2.00 | Mo 2–3 | N 0.12–0.22 |
ステンレス鋼の機械的性質（棒材）（JIS G4303-1981）
| 等級 | 0.2%耐力 N・mm⁻² |
引張強さ MPa |
伸び % |
硬さ HB |
縦弾性係数 kN・mm⁻² |
|---|---|---|---|---|---|
| SUS304 | 241 | 565 | 60 | 149 | 193 |
| SUS304L | 228 | 545 | 60 | — | — |
| SUS304LN | > 245 | > 550 | > 40 | < 217 | — |
| SUS316 | > 205 | > 520 | > 40 | < 187 | 193 |
| SUS316L | > 175 | > 480 | > 40 | < 187 | — |
| SUS316LN | > 245 | > 550 | > 40 | < 217 | — |
ステンレス鋼の物理的性質
| 等級 | 比重 (0-100℃) |
比熱 (100℃) (kJ・kg⁻¹・K⁻¹) |
熱伝導率 (常温) (J・kg⁻¹・K⁻¹) |
線膨張係数 (0-100℃) (10⁻⁶・K⁻¹) |
比抵抗 (常温) (10⁻⁶・Ω・m) |
透磁率 (常温) (10⁻⁷・H・m⁻¹) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SUS304 | 7.93 | 0.511 | 16.3 | 17.3 | 72 | 12.8 |
| SUS304L | — | — | — | — | — | 12.6 |
| SUS304LN | — | — | — | — | — | — |
| SUS316 | 8.0 | — | 16.3 | 16.0 | 74 | 12.6 |
| SUS316L | — | — | — | — | — | 12.6 |
| SUS316LN | — | — | — | — | — | — |
デュアル認証材（Dual-Certified）
- SUS304/304LやSUS316/316Lデュアル材などがあります。
- 316Lは炭素含有量が低く、溶接時の粒界腐食が抑制されるため重ね溶接や厚板などに最適です。
- 316は強度が高く、高温でも安定した応力に耐えることができます。
デュアル材は316Lの低炭素規格を満たしつつ、316の機械的強度基準もクリアしている材料です。
1つの材料が2つの規格要件に認証されているため、設計・調達・認証の簡略化が可能になります。
まとめ
- 真空業界で最もよく使用される規格はSUS304です。
- 加速器など非磁性を求める場合はSUS316Lが選択されることが多いです。
- ヨーロッパをはじめ海外の一部のお客様ではSUS316LNを使用される場合があります。
- デュアル材は真空業界ではまだそれほど浸透していません。
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