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  3. 失敗事例 #16 真空不良の犯人は”指紋”だった?—見落としがちな基本ミス
失敗事例
失敗事例 #16 真空不良の犯人は”指紋”だった?—見落としがちな基本ミス

失敗事例 #16 真空不良の犯人は”指紋”だった?—見落としがちな基本ミス

真空装置失敗事例

失敗事例 #16 真空不良の犯人は”指紋”だった?—見落としがちな基本ミス

0. 教訓

真空部品は絶対に素手で触らない。「これくらい大丈夫」という油断が最大の敵。

真空装置は正直です。あなたの丁寧な仕事には最高の性能で応えてくれますが、少しの油断や手抜きには、必ず悪い結果で返ってきます。

1. 事例内容

研究室に配属されたB君は、やる気に満ち溢れていた。指導教員から「この真空チャンバーの組み立て、やってみるか?」と声をかけられ、初めて本格的な装置の組み立てを任されることになったのだ。

マニュアルを読み込み、先輩からのアドバイスもメモした。フランジ、ガスケット、ボルト…一つひとつ丁寧に、傷つけないように組み上げていく。作業は順調に進み、最後の仕上げにチャンバー内部の試料ホルダーを取り付けるだけとなった。

その時だった。手袋が少し汚れているのに気づいたB君は、つい面倒に感じて素手でホルダーを掴み、設置してしまったのだ。「ほんの一瞬だし、指紋もつけないように持ったから大丈夫だろう」彼はそう高を括り、チャンバーを密閉。いよいよ真空排気を開始した。

失敗した人の声

「手袋が汚れていたため、ちょっと面倒に感じて素手で触ってしまいました。ほんの一瞬だから大丈夫だと思ったんです。」

「真空が上がらないことに気づいた時、最初はリークだと思い込んで必死に漏れを探しました。でも見つからない。指導教員に『素手で触らなかったか?』と聞かれた瞬間、血の気が引きました。」

「結局、丸2日かけて全部分解・洗浄・再組み立てをしました。自分の横着が、周りの貴重な時間と労力を奪ってしまった。『これくらい大丈夫』が一番危険だと身をもって学びました。」

2. 原因

B君の「ほんの少しだから大丈夫」という安易な判断が原因だった。手袋が汚れていることに気づいたにも関わらず、交換を面倒に感じて素手で試料ホルダーを設置してしまった。

真空の世界で怖いのは、外からのリークだけではない。チャンバー内部からのガス放出(アウトガス)こそが、高真空を阻害する最大の敵である。手についていた皮脂や水分、つまり有機物が真空中でガスとなって放出され続け、目標真空度達成の壁となっていた。

3. 影響・被害

ロータリーポンプが唸りを上げ、ターボ分子ポンプが甲高い音を立てて回転数を上げていく。真空計の圧力は順調に下がっていく…はずだった。しかし、ある程度の圧力から、一向に数値が下がらなくなった。目標とする高真空領域(10⁻⁵ Pa台)には程遠い状態となった。

復旧作業として以下が必要となった:

  • 完全な分解:苦労して組み上げたチャンバーを、すべて分解
  • 徹底的な洗浄:素手で触ってしまった部品だけでなく、汚染された可能性のある内部部品すべてを、有機溶剤(アセトンやエタノールなど)で完全に洗浄
  • 乾燥と再組み立て:洗浄した部品を完全に乾燥させ、今度こそ清浄な手袋を使い、ゼロからすべてを組み直し

結局、この復旧作業に丸2日を費やした。B君のたった一度の横着が、自分だけでなく、周りの貴重な時間と労力をも奪ってしまった。

4. 防止策

真空部品を扱う際は、以下の基本原則を徹底する:

必ず清浄な手袋を着用する。ニトリルグローブやナイロングローブなどを使用し、手袋が汚れたら躊躇なく交換する。「これくらい大丈夫」という油断を排除する。

基本手順を遵守する。真空の扱いは、決められた手順の一つひとつに必ず意味がある。横着せず、基本に忠実であることが、結局は一番の近道である。

汚染(コンタミネーション)への理解を深める。目に見えない汚れ(皮脂、油、水分)が、真空の世界では致命的な汚染源となることを理解する。

5. 再発防止チェックリスト

  • ✅ 作業前の準備:清浄な手袋(ニトリルグローブ等)を着用したか
  • ✅ 手袋の管理:汚れた手袋は即座に交換したか
  • ✅ 真空部品の取り扱い:素手で触れることなく作業できたか
  • ✅ 有機物汚染の回避:皮脂、油、水分による汚染を防げたか
  • ✅ 基本手順の遵守:マニュアルに従って作業を行ったか
  • ✅ 「これくらい大丈夫」の排除:安易な判断をしていないか
  • ✅ 洗浄工程の確認:必要に応じて有機溶剤による洗浄を行ったか
  • ✅ 乾燥工程の確認:洗浄後の部品を完全に乾燥させたか

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