リボンヒーターの取り付け時の注意点
リボンヒーターの取り付け時の注意点
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重ね巻きをしない
ヒーター同士を重ねて巻くと、その部分だけ局所的に温度が上がりやすくなり、
絶縁破壊や短絡の原因になります。
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配管表面のバリ・突起に注意
リボンヒーターはガラスクロスなどの柔らかい布状の素材で作られており、
鋭利な突起や針金の先端に引っ掛けると布地が破れたり、内部導体が露出して
ショート(短絡)する可能性があります。取り付ける前に配管表面を確認し、
必要に応じてバリ取りなどを行ってください。
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固定する際は金属線・金具の扱いに気をつける
ヒーターを番線やステンレスバンドで固定する際、ねじ切り部分や切りっぱなしの先端が
ヒーター布地を傷めないよう、余分な部分をきちんと処理し、鋭利な先端が接触しないようにします。
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温度センサと温度調整器を用意する
リボンヒーターを安全かつ高精度で運用するには、温度センサ(熱電対など)と
温度調整器(サーモスタットやPIDコントローラ等)が必須です。センサーを配管など
適切な位置に取り付け、過昇温を防ぎます。
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余った長さの処理
設計上、ヒーターの長さがやや余る場合があります。ヒーターが浮いた状態で空間を加熱すると、
その部分が過熱しやすく寿命が縮む原因となるため、
「なるべく対象物へ密着させる」「どうしても浮く部分は発熱が集中しないように処置する」
等の工夫が必要です。当社では断熱材を巻くことを推奨しております。
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断熱材の利用
ベーキングや高温維持が目的の場合、外側から断熱材で覆うことで効率的に温度を保ち、
リボンヒーターに過大な負荷がかかるのを防げます。断熱材を固定する際も同様に、
ヒーターを傷つけないよう注意してください。
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取り外しや再利用時の注意
高温で長時間使用したリボンヒーターは布地や内部のヒーター線が硬くなりやすく、
取り外す際に無理に引っ張ったり大きく折り曲げたりすると断線・破損の原因となります。
何度も付け外しを繰り返す場合は、ジャケットタイプなど装着・脱着しやすい形状の
ヒーターを検討するのも一案です。
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電源・電圧・容量の確認
定格と異なる電圧で運転すると想定以上の温度に達したり、逆に加熱不足となる可能性があります。
仕様通りの電源電圧を使用し、ブレーカーや配線の許容電流なども合わせて確認してください。
上記を守って運用すれば、リボンヒーターを長寿命かつ安全に使うことができます。
特に「ヒーターを傷つけない・重ね巻きしない・温度センサと温度調整をきちんと行う」が重要です。